こんにちは。心理カウンセラーのところてんです。
今回のブログでは、“自分らしく過ごす方法”についてご紹介していきたいと思います。
多くの方が「自分らしく過ごしたい」と考えていると思いますが、中々難しいことですよね。
好きなことや楽しいことをしていればいいわけではないし、
自分勝手に過ごしたり、わがままに振舞うことが自分らしく過ごすことでもないと思います。
私は心理カウンセラーとして勤務する中で、
”こころの栄養”
という言葉を使って自分らしく過ごす方法を説明をしています。
こころの栄養を一言で説明すると、
”やりがい/達成感/充足感/満足感などのポジティブな感情や、それらを得る活動”です。
ご自身にとって必要なこころの栄養を知り、積極的に栄養を摂る生活は、
自分らしい生活を送るために必要不可欠だと思います。
ただし、”なにをすればやりがいが得られるか”は人それぞれ異なります。
”人をサポートすることでやりがいを感じる方”もいれば、
“黙々と勉強に取り組むことにやりがいを感じる方”もいます。
今回は2つブログに分けて
”自分にとっての何がこころの栄養なのか?”
”なにをしてこころの栄養を摂ればよいのか”
についての説明をしていきたいと思います。
このブログ記事を通して、みなさんが自分らしく過ごすためのお手伝いができればうれしいです。
ぜひ、最後までお付き合いよろしくお願いします。
今回の記事の内容は認知行動療法の一分野であるACT(Acceptance and Commitment Therapyの略)の“価値”という概念をもとに書いています。不十分な点や間違いを発見していただいた方はSNSや問い合わせからご指摘いただけますと幸いです。また、ACTや価値にご興味を持たれた方/「もっと知りたい」と言う方は最後の書籍紹介を参考にしていただけると嬉しいです。
こころの栄養ってなに? ~自分に必要な栄養はなに?~
体の栄養は、“カゼっぽいからビタミンC”、“夏バテ予防にビタミンB”のように、
状態に合わせて摂るべき栄養が知識として知られています。
一方で、こころの調子が悪いときや予防のために必要な栄養は人それぞれで違うのではないでしょうか?
落ち込んでいるときに映画を観る人もいれば、友達と話すことで元気になる人もいます。
また、考えていることを整理したり、ボランティア活動などをして元気になる人もいます。
先ほども書いたように、やりがいや達成感を感じる活動は人によって異なるので、
こころの栄養も人それぞれである点はとても大事なポイントです。
いかがでしょう?
ここまでの内容で、ご自身のこころの栄養がわかってきた方もいらっしゃるかもしれませんね。
一方で、「自分にとって何がこころの栄養になるかわからない」と思う方もいらっしゃると思います。
私が普段のカウンセリングでこころの栄養について紹介するときは、
下の表のように、”自分の時間”、”人との関わり”、“社会との関わり”の3つに分けて説明しています。
ご自身にとっての”こころの栄養”が思い浮かばない方は、下の表を参考に探してみましょう。
最近何をして過ごしていたかを振り返ると、”こころの栄養”が見つかりやすくなるかもしれません。
自分に関すること | この項目には”自分が好きな活動”が当てはまります。 その活動には、スポーツや旅行などの趣味だけでなく、”健康のための取り組み”、”興味のあることに関する勉強”なども含まれます。 【一例】 映画鑑賞/散歩/考えごとをするとき/資格取得の勉強/健康のためのストレッチ/自分の考えたスケジュール通りに行動できたとき/何かを達成したときやそれに向かって努力をしているとき/自分の成長を感じるとき/リラックスした時間を過ごせたとき |
人との関わり | この項目には、“家族/恋人/友達との関わり”が当てはまります。 その人たちと関わる中で“相手の助けになることに取り組む”、“伝えたいことを伝えることができる”、“相手を受け入れる/認めることができる”などの行動が該当します。 【一例】 家族や友達が喜ぶことや助けになることをする・考えるとき/相手との関係のために意見を主張する/相手を受け入れること(相手の嫌いなところ・好きなところを知った上で付き合い続ける) |
社会との関わり | この項目の社会には、“会社”、“地域コミュニティ”、“サークル”などが当てはまります。 また、“その社会の運営が円滑に進むように行う取り組み”、”仲間意識を感じる(例:同じ価値観を持っている感覚を得る)こと/そのためにとる行動”、などが該当します。 【一例】 業務や運営に関する提案や工夫/業務や運営のためのコミュニティメンバーとの連携/コミュニティメンバーとの関係向上のための関わり |
いかがでしょう? ご自身にとっての”こころの栄養”は見つかりましたか?
「よくわからないなぁ」という方は、
今日一日の中で楽しかった/充実したできごと
最近あった楽しかった/充実したできごと
これまでの楽しい思い出(学生生活/部活/サークル/アルバイト/家族や友達関係)、
過去の趣味や、やりがいを感じた経験
などを思い出してみてください。
その中に、ご自身のこころの栄養のヒントが隠れているかもしれません。
私はこれまでの学生生活(部活やサークル)や、アルバイト、今の仕事を振り返る中で「誰かをサポートする/貢献する」が自分のこころの栄養であることに気付けました。
また、面倒に感じるかもしれませんが、
今の生活にひと手間加えることでご自身のこころの栄養に気づくことができるかもしれません。
出勤や帰宅途中に周りの風景をゆっくり眺めたり、
休憩時間に同僚と話したり、
仕事や家事にひと工夫を加えることで
「意外と楽しい/充実した時間かも」とこころの栄養に気づくことがあるかもしれません。
次は、見つけた栄養が本当にご自身にとっての栄養なのかチェックしていきましょう。
ここでの内容は資産運用をされている方にとっては特に必見だと思いますよ~。
こころの栄養をとるときの注意ポイント ~それって本当に栄養?~
何となく、こころの栄養についてご理解いただけたでしょうか?
ここでは、「こころの栄養だと思っていたけど実は違った」なんてことがないように、
こころの栄養を決める上での注目ポイントを2つ紹介したいと思います。
こころの栄養になりそうで栄養にならないもの 例:お金を得る/昇進する
“給料のために働く”、“昇進のために頑張る” はこころの栄養を取っているように思えますが、
実はこころの栄養にはなりません。
目的を誤ってしまうと、こころの栄養を摂るために頑張っても摂れないままになることがあります。
注意していただきたいのは、
“給料で何をするのか”、”昇進してどうするのか?” です。
お金を得ることや昇進することは、
こころの栄養をとるための手段であって、こころの栄養そのものではない点は要注意です。
お金はそれ自体に価値はなく、何かと交換して初めて価値が生まれます。
なので、お金を得るだけでは栄養を摂っているとは言えません。
ちなみに、趣味を楽しむためにお金を稼ぐのであれば、こころの栄養は”趣味に取り組む”になります。
休日を楽しむためにお金を稼ぐのであれば、
こころの栄養は”自分のための時間を過ごす”になるかもしれません。
昇進も同様です。
例えば、係長への昇進はそれだけでこころの栄養を摂っているように思えますが、
係長でいれば自動的にこころの栄養を摂り続けることができるわけではありません。
係長になっても何もしなければ、おそらく自己嫌悪に落ちていくのではないでしょうか?
ただし、業務の幅を広げることが目的の昇進であれば”会社への貢献”が栄養かもしれませんし、
同僚にサポートしやすくすることが目的の昇進であれば”サポート”がこころの栄養かもしれません。
このように、こころの栄養そのもの(こころの栄養を摂る目的)と、
こころの栄養を摂るための手段を分けて考えることはとても大切なことです。
とは言いつつも、私自身も資産運用をする上でこころの栄養と手段がごちゃまぜになることがあります。
資産運用を始めた理由は“趣味や仕事に向き合う時間”、“家族と交流する機会”をなどのこころの栄養を摂る得るためです。
資産を増やすことが目的ではありません。
ですが、ついつい資産を増やそうとスマホやパソコンを見る時間が増えて、
趣味の時間や家族と触れ合う時間が減るなんていう本末転倒な状態になることがあります。
こうして注意を促している私自身、いつの間にか本末転倒な状態になってしまいます。
良くも悪くも、お金はそれだけ人を動かす力があるので注意が必要ですね(自戒を込めて)
“やらないといけないからやる”は栄養にならない 例:やらないと怒られるからやる
一見こころの栄養を摂っているように見えても、
何を目的にしているかによって実はこころの栄養が摂れていないこともあります。
特に、”やらなきゃいけないからやる”のパターンは栄養にならないことがほとんどです。
同僚のサポートや会社への貢献がこころの栄養の人は、仕事で栄養が摂れるかもしれませんが、
「明日までに仕上げないと上司に怒られるから…」と仕事に取り組んでいるときは
こころの栄養は摂れていないと思います。
このように、
前提として”やらないといけない”、”やるべき” などがある活動はこころの栄養になりません。
繰り返しになりますが、こころの栄養は、
”やりがい/達成感/充足感/満足感などのポジティブな感情や、それらを得る活動”です。
”やらないといけない”、”やるべき”などが前提としてある活動は、
取り組むことで肩の荷が下りることはあっても、やりがいなどは得られません。
例えば、「親だから子供と関わることがこころの栄養になるはず」は、
子どもと関わることにやりがいや満足感を得ているのであればこころの栄養になりますが、
使命感や責任感によるものであればこころの栄養とは言いにくいかもしれません。
また、「怒られなければ安心できる。だから、怒られないように頑張ることがこころの栄養になる」
と考えて取り組む行動は、一見前向きに思える”安心”という言葉が厄介です。
安心するの表現を使う場合、
”心地よい感覚を得ているパターン”と、”不安にならずにホッとしているパターン”があると思います。
こころの栄養は、”やりがい/達成感/充足感/満足感などのポジティブな感情や、それらを得る活動”
なので、後者は違いそうです。
それに、ネガティブになっていないだけでポジティブにもなっていないので、こころの栄養とは言えません。
これらのように”不安を感じないための行動”は生活上必要な行為ですが、やっていて楽しいとは言えません。やりすぎないように注意しなければなりませんね。
さいごに
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回の記事では自分らしく過ごす方法として”こころの栄養”のご紹介しました。
この記事を通して、
「自分のやりたいことがはっきりした」、「今の生活で注目すべきところがわかった」
という方がいらっしゃればうれしい限りです。
次のブログ記事では、“こころの栄養を摂るときのコツ”について紹介したいと思います。
ぜひ、目を通してみてください。
「こころの栄養が何かわからなかった」、「こころの栄養が見つからなかった」という方は、
今後も定期的にブログ内容を改善していきますので、また本記事をのぞいていただけると嬉しいです。
また、もし「こころの栄養について詳しく知りたい」と言う方は以下の書籍がお勧めです。
専門的な内容を、一般書としてわかりやすく書かれてあります。
ではでは、おーしーまい。
専門用語はほとんどなく、わかりやすい文章で具体的な対応方法が掛かれています。
この本の題名や、中に書かれている不安感との付き合い方/向き合い方に驚かれるかもしれませんが、カウンセリングでも扱うような大切なことがたくさん書かれてあるのでお勧めです。