子どものインターネット利用とルールづくり

はじめに~本記事の目的~

ところてん
ところてん

こんにちは。心理カウンセラーのところてんです。まずは、今回の記事の目的について、ご説明しますね。

今回は、子どものインターネット利用とルールについて書いていきたいと思います。

今更ですが、インターネットはとても便利な一方で危険な側面も多数あります。

子どもの知識を広げることを大いにサポートしてくれる一方で、危険な情報や、危険な人とつながるきっかけにもなります。

そして、心理カウンセラーと言う仕事上よく耳にするのが、子どものネット関係トラブル。

また、トラブルを抱えるご家庭の多くがネット利用のルールを設定していません。※個人的な印象です。

この記事では子どもがインターネットを利用する際のルールについて、

  • ”ルールがなぜ必要なのか”
  • “ルールがないことによる危険性”、
  • “ルールを作る上で重要なポイント”

の3つに分けてお伝えしたいと思います。

子どものネットトラブルの話を聞くたびに悲しくなるので、このブログが注意喚起につながればと思っています。

ルールがなぜ必要なのか?

ところてん
ところてん

ここでは、子供のインターネット利用になぜルールが必要なのか?について説明していきます。

インターネットやゲーム機の利用ルールについて話をすると、

  • 「ルールで縛るのは子どもが可哀想」
  • 「子どもの自主性に任せたい」
  • 「設定が複雑で面倒臭い」

と言われることが良くあります。

確かに、ルールがあるのは不自由さにつながるし、子どものやりたいことに制限を掛ける対応かもしれません。

ですが、これはかなり危険だと思います。

例えば、子どもが「車を運転したい」と言ってきた場合はどうでしょう?

インターネットと同様に、車も移動が楽にできる一方で、人の命を奪うこともできるように、便利な側面と危険な側面を持ち合わせています。

インターネットのルールに関しては、「ルールで縛るのは子どもが可哀想」、「子どもの自主性に任せたい」、「設定が複雑で面倒臭い」と言う方も、子どもが「車を運転したい」と言ってきたときには「そんなことは言ってもダメなものはダメ」と何が何でも断り続けると思います。

車の場合、運転できる年齢が法律で決まっていることもありますが、

子供が危ない場所や注意すべきポイントに気付くことができるのか?

万が一事故を起こした時やトラブルに巻き込まれた時には対応ができるのか?

など、子どもに車を運転させることができない理由がいくつもあります。

さらに、何か起こった後では取り返しがつかない事態になっている可能性が高いことも子どもに車を運転させることができない理由の一つだと思います。

インターネットも同じです。

危ない人や注意すべきサイトに気付くことができるのか?

万が一危険な人から連絡が来たり、詐欺などに巻き込まれた時に対応ができるのか?

詐欺などでお金を騙し取られてしまうことは十分大きなことですが、乱暴な被害にあったり、薬物などのトラブルに巻き込まれてしまうと、簡単には取り返しが尽きません。

そのため、“子どもが1人でも正しく利用することができる”“自分の責任で利用することができる(例:自分でお金を払う)”ことが確認できるまで、ルールを使って子どもをトラブルから守ることは周囲の人間の責任だと思います。

このように、ルールは子どもの行動に制限を加えるため不自由な状態を作りますが、ルールを作ることで子どもを守ることができます。

そのため、“子どもが安全に使うためのルール”を設定することは必要不可欠です。

ルールがないことによる危険性~インターネットに関するトラブル~

ところてん
ところてん

次はインターネット関連のトラブルについて、ご紹介します。国の調査報告などの資料を基に、インターネット関連のトラブルがどれほど起こっているのかをまとめてみました。

次は、インターネットに関するトラブルです。

内閣府は次の記事の中で、ネット利用に関する注意喚起をしています。

ネットの危険からこどもを守るために 保護者が知っておきたいこと | 政府広報オンライン
スマートフォン等のインターネット接続機器の普及によって、インターネットはますます私たちの生活に身近になりました。最近は、こどもたちも自分のスマートフォンを持ち、メールや調べ物、ゲームなどを利用することが多くなりました。一方で、不適切なサイトなどにアクセスし、犯罪やトラブルに巻き込まれるケースも絶えません。そこで、トラブ...

また、子どものスマートフォン利用に関するトラブル例として、

  • 書き込みやメールでの誹謗中傷やいじめ
  • SNSなどに載せた個人情報の流出
  • SNSを通じて知り合った人からの誘い出しによる性的被害
  • 無料ゲームサイトでの意図しない有料サービスの利用

を挙げています。

インターネットの利用が、このようなトラブルの原因になりかねないことはご存知の方も多いと思いますが、他人事のように感じている方の方が多いかもしれません。

ただ、次に挙げるトラブル件数から考えると、少し印象が変わるかもしれません。

警察庁は次の記事の中で、令和2年度のSNSトラブルの被害にあった18歳未満は1,819人と発表しています。

少年非行及び子供の性被害|警察庁Webサイト

この数字にピンとこない人もいるかもしれませんが、日本の市町村数は1,718市町村(総務省)なので、1つの市町村に1人はいる計算です。

更に言えば、この発表はSNS限定なので、SNS以外のトラブルを合わせると子どもが関わるインターネット関連のトラブルはもっと増えると思います。

その一例として、国民生活センターはオンラインゲームに関する相談件数について

4,740件と発表しており、SNSトラブルと合算すると約6,400件のトラブルがあったと考えられます。

オンラインゲーム(各種相談の件数や傾向)_国民生活センター

大まか1つの市町村で約4件のトラブルが起きているわけです。

これらのトラブル以外にも、

“ゲームのし過ぎで昼夜逆転/不登校”

“ネット上で知らない人と連絡を取り合っている(まだ事件になっていないだけ)”

なども合わせると、もう他人事としては考えられない数字になると思います。

どんなルールが重要なのか?

ところてん
ところてん

ここでは、ルールを作る際にどんなことをルール化すると良いのかについて書いてあります。

冒頭に挙げた“子どもが安全に使うためのルール”で大事になるのは、利用時間と利用方法に関する取り決めです。

利用方法に関するルールは先ほどお伝えしたように、危険な人や詐欺被害などから子どもを守るために必要になります。

利用時間に関するルールは、子どもの生活リズムを守るために必要になります。

安全なサイトや動画だからといって深夜まで観ていいわけじゃないですものね。

ルールの内容は年齢によって変えていくべきだと思うので、“利用時間は〇時間”“利用範囲はこれくらい”と具体的に言い切ることができません。
フィルタリング機能には大まかな年齢別で制限設定することができるので、一先ずそれで設定してみることをお勧めします。
その上で、利用時間や制限範囲を各々のお子さんに合わせてくと良いと思います。
ただし、寝坊や遅刻居眠りが増えるなど子供の生活リズムが乱れたり、アダルトサイトや暴力サイトなどの閲覧をしていないかのチェックは必要なので定期的にチェックすることをお勧めします。

しかし、内閣府の発表によると、家庭でインターネット関連のルールがある家庭の内、「利用する時間」をルール化しているのが約7割で、「利用するアプリやサイト」をルール化しているのは約3割です。

404 Not Found - 内閣府
404NotFound:指定されたページまたはファイルは存在しません。

ところてん
ところてん

まじで・・・?ほとんどが利用時間のルールで、利用方法までルール化してるのはたったの3割か・・・。そりゃネット関連のトラブル増えるわ。

正直なところ、この調査報告をみてとても落胆しました。

利用時間だけのルールって、「スマホ使っていいのは21時までだけど、その間はどんなサイトでも観ていいよ」ってことですからね。

そのルールでは子どもを守るルールとは言えないと思います。

また、先ほどの調査で内閣府は“「インターネットのルールを決めていない」と答えた人は約3割いる”としています。

意外と少ないかもしれませんが、1クラス30人の学級なら9人の子どもが何の制限もなく自由にインターネットを使えているわけです。

その子がクラスメイトに与える影響はないのでしょうか?

スマートフォンで友達と一緒に動画を観たりしませんかね?

インターネットで知った情報を友達に教える可能性は無いのでしょうか?

「“絶対バレない万引きの仕方”って動画観たんだけど、やってみようよ」って誘う子いないですかね?

僕は考えれば考えるほど心配になります。

お勧めするルール設定の方法

ところてん
ところてん

ここではルール設定の方法の一つとして、フィルタリング機能を紹介しています。

ルール設定でお勧めするのは、各キャリアのフィルタリングサービスです。

フィルタリングサービスでは

  • 利用時間の制限
  • 利用できるアプリ/閲覧できるサイトの大まかな制限
  • 利用状況の確認

が保護者側のスマホから管理/確認することができます。

ただし、完璧に把握できるわけではありません。

保護者の方から「なぜか子どもがパスワードを解明してフィルタリングを解除した」なんて話は頻繁に耳にします。

なので、フィルタリングを設定しても、定期的に直接お子さんのスマホで履歴等を確認することをお勧めします。

各キャリアのフィルタリングについては、検索サイトで“キャリア名 フィルタリング” で調べるとすぐに出てきます。

面倒臭いかもしれませんが、フィルタリングを使えば子どもがトラブルに遭遇する危険性を下げることができます。

ぜひ、時間をつくって設定してみてください。

さいごに

ところてん
ところてん

最後までお読みいただきありがとうございました!!。

今回、スマホのルール化の方法としてフィルタリングを紹介しました。

子どもにスマホを持たせる場合フィルタリングの設定は義務化されているのに、きちんと設定できている人はあまり見たことがありません。

次の総務省の2019年の発表を見るとフィルタリング加入率は約8割と高いのに、フィルタリングの利用率は約4割。

総務省|報道資料|我が国における青少年のインターネット利用に係るフィルタリングに関する調査結果の公表
 総務省では、「我が国における青少年のインターネット利用に係るフィルタリングに関する調査」を実施しました。当該調査結果の報告書をとりまとめましたので、これを公表します。(委託先:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター)
ところてん
ところてん

ってか、そもそもフィルタリングを一度も利用したことが無い約5割ってなんなんや…。

フィルタリング未加入へのペナルティがないことが影響しているのははっきりしているんだから、政府もいい加減未加入者へのペナルティを設定してくれーーーー!!。

と、個人的な日々の鬱憤が沢山詰まった記事になりましたが、お子さんを持つ方へ良い情報提供の一つになっていれば嬉しい限りです。

毎度ながら、ブログの終わり方って難しいな笑

それでは、おーしーまい

タイトルとURLをコピーしました